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海外エンディングビジネス紹介①サブスク一括解約サービス「Closure」
海外のエンディングビジネスを紹介していくシリーズコラム。
第一回は「Closure」というオランダのサブスク一括解約サービスについてご紹介します。
以前、Twitterで紹介したときに、デジタル遺品の専門家である古田氏からコメントがありました。
実際に、どのような会社がどのようにサービスを展開しているのかを見ていきましょう。
※HPより転載する画像は、Google翻訳を使ってウェブサイトごと翻訳しています。翻訳の都合上、日本語表現の誤用が散見される可能性がありますがご了承ください。
Closureはオランダのロッテルダムという都市に拠点を置く、2017年創業のスタートアップ企業です。亡くなった人のデジタルに残った遺産(サブスク契約など)を相続人の代わりに処理することで、相続人の負担を軽減するだけでなく、全体のプロセスをよりシンプルにすることを目的としています。データ処理には機械学習のAIを用いている点も興味深いです。注目のデステック系スタートアップとして、過去に1500万ユーロ(日本円で約2億)の投資も受けています。現在オランダで亡くなった方の25%がClosureを使って処理されているそうです。
主なサービスとしては、サブスクの一括解約とアフターケアプラットフォームの2つが挙げられます。サブスクの一括解約は、相続人であるユーザーは無料で利用でき、パートナー企業からマネタイズをしているようです。通信会社(携帯や家庭用ネットワーク)、金融(銀行や保険)、メディア(動画視聴や音楽配信など)、公共料金(水道や電気など)他、およそ1600ほどの企業がパートナー企業として登録してあります。また、ユニセフのような非政府組織(NGO)とも連携しており、遺産を寄付に回すことなども簡単にできるようです。
もうひとつのサービスであるアフターケアプラットフォーム(nabestaandenloketという名前)では、人が亡くなってから必要な手順がカテゴリーごとに整理されていたり、亡くなった方とのオンラインお別れページを作成できたり、電話やメールでの相談窓口業務などを提供しています。主に葬祭関連業者と提携しているため、このプラットフォームを足がかりに諸手続きをスマートに行えるようになっています。サブスクの状況とも連携しているので、直感的に必要なことが分かる仕組みのようです。
使い方は簡単です。まずはパートナー企業のなかから、使用しているサービスを選びます。その後、亡くなった方の個人情報と死亡診断書をアップロードし、アカウントを作成します。そして亡くなった方が使っていたサービスをすべて選択すれば、あとはClosureの方で処理を行います。キャンセルの場合は5日程度、引き継ぐ場合は10日程度の営業日ですべての処理が終わるとのことです。
特筆すべき点は、Closureがオランダ金融市場庁 (AFM) から各サービスへの死亡報告のライセンスを取得している点です。行政が死後のサブスク問題に対して真剣に取り組んでいるということが伺えます。日本ではデジタル遺品などというワードで少しずつ認知され始めている死後のデジタル的な手続きですが、まだまだ行政と協力しながらやっていくことにはいくつものハードルが残っています。こうした点は、オランダを見習って官民連携して進めていく必要があるでしょう。
しかし、亡くなった人がなんのサブスクを契約しているのかを調べることが大変だということは変わりありません。FAQのコーナーでは、どうやってサブスクの内容を知るのかという質問に対し、「チェックリストを使用しながら、銀行の明細と郵便物、電子メールを確認する」と書かれています。しかし、悲しみの中にある遺族にとってはこうした作業も苦痛になる可能性があります。もしかすると、生前に本人が登録してあるサブスクをチェックしておいて、それを死後に一括解約するといった機能もいずれ追加されるかもしれません。
拡大している会社で、最近はベルギーにも展開を始めました。日本でも、こうしたサブスク一括解約のサービスが、行政と連携した形でワンストップに行える日が来ることを期待したいですね。