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【イベントレポート】&for usのリアルイベント「“死”の学校」、今回は故人のSNSアカウントをテーマに、シブヤ大学にて開催しました!

&for usは「“死”の学校」のタイトルのもと、老若男女を問わずさまざまな方にご参加いただき、“死”をテーマに据えたシリーズ講義を定期的に開催しています。第3回目のテーマは「故人のSNSアカウント」について。デジタル遺品の専門家・古田雄介さんをゲストにお招きし、さまざまな具体例などをもとに、SNSアカウントの管理についてみなさんとともに話し合いました。

舞台となるシブヤ大学は、まちのあらゆる場所を教室にさまざまな授業を開催するNPO法人。私たち&for usが展開する「“死”の学校」にもご賛同いただき、今回は渋谷区神宮前にある「ケアコミュニティ・原宿の丘」での実施となりました。

会場である「ケアコミュニティ・原宿の丘」は、渋谷区が旧原宿中学校の校舎を改修し、幼児から高齢者、障がい者まで、地域で生活するすべての人々が集い、支え合える地域コミュニティの拠点施設として設立した施設です。

アンドフォーアス株式会社代表・柴田 駿と、上智大学大学院で死生学の研究に取り組む市川 岳の司会・進行のもと、イベントは「そもそもデジタル遺品って何?」「実際によくあるケーススタディ」「自分の周りのデジタルデータを整理しよう」と、大きく3つの身近な切り口をもとに行われました。

第一部のゲスト講義「デジタル遺品を知ろう」ではデジタル遺品の専門家・古田雄介の解説にはじまり、第二部のグループワーク「みんなで考えよう」では、「亡くなった家族のSNSアカウントを見つけたらどう対応する?」「公序良俗に反する可能性のある匿名アカウントをもし自分が持っていたらどう備える?」など、具体的かつリアルなケーススタディをもとに、各グループで解決策を導き出すというディカッションを実施しました。

後半の第三部「自分を見つめ直す」では、それぞれが今回の授業を踏まえて、自分の場合はどうするか、大切な人にどういった情報を残しておいてほしいのか、自分が残したいもの・残したくないものは何かを、自由にアンケート用紙へ記入。あえて回答内容は回収せずに、自身や家族、愛する人と向き合うきっかけとして役立ててもらいました。

今回もたくさんの方にお集まりいただいた「“死”の学校」。ゲストにお越しいただいたデジタル遺品の専門家・古田雄介さんは、イベントを終え次のように振り返ります。

「月並みなコメントかもしれませんが、参加者みなさんの反応が見えたり、直接ご意見を交換できるリアルイベントならではの感じがとてもよかったです。それぞれのお顔を見ながらコミュニケーションをとっていると、ちゃんと興味関心を持って話を聞いてくださっているというみなさんの真摯な姿勢が伝わってきました。10年前と比べても高齢の方が多く参加されているように感じられるなど、年代問わずデジタル遺品に対する関心の高さを再確認できた有意義なイベントでした」

イベント終了後にご回答いただいたアンケートでは、参加者のみなさんから以下のようなコメントもいただきました。

「自分自身がよりデジタル遺品の整理をもっとこまかくするべきだとわかりました」
「ぼんやりと考えていたことをグループ協議を通して具体的な意見交換ができ、イメージが固まった」
「デジタル遺品の対策方法が参考になりました」
「デジタル/リアルの違い、問題点についての座標軸を持つことができた」
「自分が思っていた以上に難しく、死後の手続きも大変だということがわかりました。他の方の意見も聞けたのはとても良かったです」
「同じ想いを持っている人に引き継ぐという意見が目からうろこです」
※すべて原文ママ。一部抜粋

次回のワークショップの情報は、随時「&for us」のウェブサイトと公式SNSで発信していきます。普段はなかなか話しづらい“死”をテーマに、死生観についてみなさんと一緒に考えるワークショップです。気になる方はぜひ、お気軽にご参加ください。

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中澤範龍

中澤範龍

出版・広告の現場を経て、さまざまなメディアのプロジェクトに編集者として参画。後世に残したい日本の工芸技術やロストテクノロジーを再発見・記録するプロジェクト「Missinglink 」メンバー。株式会社EditReal取締役。

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