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【イベントレポート】&for usのリアルイベント「“死”の学校」、シブヤ大学を舞台に「大切な人をどう看取る?」を開催!
「&for us」では「“死”の学校」をタイトルに掲げ、普段はなかなか話しづらい“死”をテーマに据えたシリーズ講義を定期的に実施しています。
2023年6月18日に行ったイベントのテーマは「大切な人をどう看取る?」。今回も幅広い年齢層の方がたにご参加いただきました。ゲストに特別養護老人ホームの施設長・大塚小百合さんをお招きし、人生の最後の過ごし方についてみなさんと一緒に考えました。
今回も会場となったのは、東京都渋谷区にある、シブヤ大学。まちのあらゆる場所を教室に見立て、さまざまな授業を開催するNPO法人です。私たち&for usのリアルイベント「“死”の学校」のコンセプトにご賛同いただき、神宮前の「ケアコミュニティ・原宿の丘」で実施させていただきました。
イベントの司会進行を務めるのは、アンドフォーアス株式会社代表・柴田 駿。「『老い』と『死』のリアル ~より良い人生を送るために今から考えておくべきこと~」と題して、人生の最後の過ごし方や看取りの実情について、お話をうかがいました。
「あなたは自分が老いて死ぬとしたら、どこでどういう死に方をしたいと思いますか?」という質問からはじまった、大塚さんのお話。特別養護老人ホームの施設長として長年現場で経験し、目に耳にしてきたお話を例に、国際的に見ても日本は病院での死亡例が高いことについて説明。家で生まれ、家で死ぬのが当たり前だった時代から、生活の変化や医療の進歩によって「死」も医療に委ね、生の姿に接する機会を放棄してしまっているという実情についてご説明いただきました。
さらに、「死は苦しいものなのか」「終末期医療は本当に必要なの!?」「看取りケアの三つの柱」など、看取りの現場で経験を培ってきたからこそ言える、貴重なお話をいろいろと聞かせていただくことができました。
今回も幅広い層の参加者にお集まりいただいた「“死”の学校」。登壇いただいた大塚さんにコメントをいただいたところ、次のような答えが帰ってきました。
「今回のイベントには、いざ親の介護がはじまった人よりも、まだそこに直面していない方にたくさんきていただいていました。まだ介護や看取りとは縁遠くても、そうした方々に『知っておいてよかった』と思っていただけたのはよかったですし、私自身もそうした実情を“知っておくこと”の重要性とともに、こうした場の大切さにもあらためて気付かされました。『まだまだ自分には関係ないな』と思うような若い方にこそ、実際に介護や看取りと向き合う前に、広くみなさんに知っておいていただきたいと思いました」
イベント終了後にご回答いただいたアンケートでは、参加者のみなさんから以下のようなコメントもいただきました。
「普段なかなか聞けない知識を交えての授業で貴重な機会でした」
「素敵な学びの機会をいただき、ありがとうございました。難しいテーマではありますが、家族と話してみようと思います」
「延命治療が本人のためになるとは限らないという、大切な情報を得られた」
「とても自分の仕事とリンクすることが多く、アプローチをかけていくことが理解できてよかったです」
「よりよく生きることを学びたいと思った」
「施設でのリアルな取り組みの話をここまで聞けると思っていなかったので、とてもためになりました」
「介護の現場における終末期の現実をしることができて勉強になりました。欲を言えば看取り以外にも『死』そのものにフォーカスを当てた話も聞きたかったです」
「いま何が起きているのか、問題は何なのか。分かりやすくお話いただき目からウロコが落ちました」
「全て参考になった。家族と一緒にまた聞きたい」
※すべて原文ママ。一部抜粋
次回以降のワークショップの情報も、「&for us」のウェブサイトと公式SNSで発信していきます。普段はなかなか話しづらい“死”をテーマに、死生観についてみなさんと一緒に考える、誰でも参加しやすいイベントです。気になる方はぜひ、お気軽にご参加ください。
記事
中澤範龍
出版・広告の現場を経て、さまざまなメディアのプロジェクトに編集者として参画。後世に残したい日本の工芸技術やロストテクノロジーを再発見・記録するプロジェクト「Missinglink 」メンバー。株式会社EditReal取締役。