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【イベントレポート】&for usのリアルイベント、シリーズ講義「死と現代」をシブヤ大学と協働で開催

「&for us」が定期的に開催しているリアルイベント「死のワークショップ」。普段はなかなか話しづらい“死”をテーマに据えたシリーズ講義の第2回目となる今回のテーマは「死と現代」。死生学について研究をしている上智大学大学院教授・佐藤啓介先生をゲストにお迎えし、現代日本社会における死生観についてみなさんと一緒に考えました。

協働したNPO法人シブヤ大学は、まちのあらゆる場所を教室にさまざまな授業を開催しているNPO法人。私たち&for usが展開する“死のワークショップ”に賛同いただき、代々木上原にある上原社会教育館にて共にイベントを行いました。

司会・進行はアンドフォーアス株式会社代表・柴田 駿。この日のお題である「死と現代」では、佐藤先生とともに「“死”を学問的に捉えてみる」「現代の技術×生命・死!? 新たな取組みを考える」と、大きくふたつの切り口で進行しました。

前半の「“死”を学問的に捉えてみる」では、佐藤先生が「死」を考えるための基本的視点について、哲学者であるハイデガーの思想を例に講義。その内容をもとに、私たちの日常にある伝統的な死生感や宗教観が失われた日本社会において、人びとは死に関してどのような考えを持っているのかを教えてくれました。

後半の「現代の技術×生命・死!? 新たな取組みを考える」は、昨今世の中で話題となった事象を例に、引き続き佐藤先生が講義。昨今のテクノロジーの進化から生み出された死者AIの開発やSNS投稿に関する賛否といった具体例を示しながら、倫理的問題についてさまざまな視点でお話しくださいました。

あいにくの雨ではありましたが、今回も多くの参加者の方にお集まりいただいた“死のワークショップ”。当日を振り返り、登壇した柴田と佐藤先生は次のように話します。

「死のワークショップとして、これまでとはひと味ちがうアカデミックな内容でした。開催前は、参加者のみなさんにとっての興味関心や理解度など不安もありましたが、みなさんの反応を見ていると、うまく難易度調整できたように感じて安心しました。せっかくのシリーズ講義なので、これからも&for usならではの特徴ある講義を展開していければと思います(柴田)」

「まず定員が溢れるほどの応募があったことに驚きました。参加者の方は若い方も多く、もっと死に対して深刻な悩みを抱えているひとなどが多く参加されるのを想像していたのですが、みなさんからは前向きな観点で死と向き合い、学ぼうとする姿勢を感じました。講義でも話しましたが、死について話すことのトレンド化を身をもって感じた部分でもありました(佐藤先生)」

また、イベント終了後にご回答いただいたアンケートでは、参加者のみなさんから以下のようなコメントをいただきました。

「とても面白かったです。自分の死について考え切れないことを肯定されて良かったです」

「タブー視されやすいトピックゆえ、なかなか普段の生活で話ができないです。嫁からも嫌がられます。なので、こういった勉強できる機会があるのは、うれしいです」

「自分自身は死のテーマを考えたり、他人と話すこともありましたが、『結局分からないから、人生を豊かにしよう』という結論になることが多かったのですが、今回お話いただく中で現代社会において死をどう捉えられているかを知ることが出来とても興味深く感じました」

「”自分の死と他人の死に対する捉え方が違うという気づきを得ました。また、自死やAIについての意見、話はとても興味深かったです」

※すべて原文ママ。一部抜粋

次回のイベントの情報は、随時「&for us Think!」のHP公式SNSで発信していきます。普段はなかなか話しづらい“死”をテーマに、死生観についてみなさんと一緒に考えるワークショップです。気になる方はぜひ、お気軽にご参加ください。

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中澤範龍

中澤範龍

出版・広告の現場を経て、さまざまなメディアのプロジェクトに編集者として参画。後世に残したい日本の工芸技術やロストテクノロジーを再発見・記録するプロジェクト「Missinglink 」メンバー。株式会社EditReal取締役。

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