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Q.実家の相続問題は意外と多い!?実家を相続する場合、まず何からすべき?

父母が実家に住んでおり、土地・建物の登記の名義は父名義と聞いています。 私と姉は既に実家を出ているのですが、将来的には実家が相続されるものだと思っています。 友人から実家の相続で揉めたという話を聞いて不安になっているのですが、 今から準備しておくべきことはありますか?

  • 登記
  • 不動産
  • 実家
  • 相続

Answer.

実家の相続問題で揉めるケースは非常に多いです。
また、空き家問題という形でも社会問題化していますね。

「実家」の状態には段階があり、大きく分けると以下の3つが挙げられます。
①父母が生きていて、実家に住んでいる
②父母が生きているが施設や病院等で暮らすことになり、実家が空き家になっている
③父母が他界し、実家が空き家になっている

ご相談者様の現状は、上記①の段階に該当します。恐らくこの段階で問題が顕在化することは少ないはずです。
一方で将来は②もしくは③の段階に移行する可能性が高く、この段階になって問題が顕在化します。そうした場合、どのような問題が顕在化するのでしょうか?

主な問題は2つあり、1つは「空き家」であることの問題。
もう1つは「誰が相続するか / 主体的に管理するか」という問題です。

不動産は、空き家になると急激に傷みはじめます。居住者がいる場合は自然と換気や通水が行われますが、空き家になるとそれが行われず、下水からの悪臭が立ち込めたり高温多湿になりカビやシロアリ被害のリスクが高まるなど、1ヵ月放置しただけで老朽化がかなり進むケースも多く耳にします。また、異常があった際にもなかなか気づかれず、例えば雨漏りや窓ガラスや建材の破損が長期間放置されてしまうことも。

老朽化が進むと、いざ自分や他人が使う場合に修繕のお金がかかったり、他人に貸したり売却したりする際に価格が下がってしまったりと、財産としての価値が下落してしまいます。
非常に勿体ないですよね。

また、誰が相続するか、主体的に管理するかの問題は、金銭的な利益だけでなく思い出の詰まった実家という感情的な要素もあるため、簡単には結論が出ないケースも多いです。
不動産の価値算定はさまざまな計算方法があり、絶対解が存在するわけではないため争いになりやすい他、相続手続きにおいても思いのほか面倒が多く、特に遺言書が無い場合は時間がかかるため、その間に不動産の老朽化も進行してしまいます。

ご質問に戻りましょう。
「①父母が生きていて、実家に住んでいる」という現状でも、何かできる準備はあるのでしょうか。

有効なのはお父様とお母様、そしてお姉様と、“いざというときの実家の取り扱い”について今から話し合っておくことです。
特に「②父母が生きているが施設や病院等で暮らすことになり、実家が空き家になった」場合や、「③父母が他界し、実家が空き家になった」場合に、実家という不動産をどのように取り扱うか(売却したり他人に貸しても良いのか、空き家として管理する場合は自分たちで管理するのか、管理会社などにお金を払って管理を依頼するのか、等)を、事前に話し合っておくことが有効です。仮に現時点で結論が出なかったとしても、お互いの考えを知るだけでも、いざというときの意思決定の参考にすることができ、結果として家族間で揉めごとになったり、空き家期間が長期化し実家が老朽化する可能性も減らすことができます。

ご両親とどうしても話しづらい場合は、少なくともお姉様とは話しておくのが望ましいです。
将来的に実家に住みたいのか、住まないけれども実家は残しておきたいのか。残しておきたい場合は管理の労力やコストがかかるが、その費用はどこから捻出できるのか。
お互いの考えを知ることで、自分のライフプラン(現時点ではどんな家に住むか、どのような資産形成をするか、等)に活かすこともできるかもしれません。

ぜひ一度、実家の取り扱いについてご家族でお話ししてみてはいかがでしょうか。
何から聞いていいか分からない場合は、以下のような質問をしてみてください。
「お父さんとお母さんは将来、ずっとこの家に住みたい?」
「お姉ちゃんは将来、実家に住む可能性はある?」

自分のライフプランを立てるにあたって家族の希望も知りたい、という姿勢で協力を仰げばきっと家族の会話もスムーズに進むかと思います。

『&for us』事務局及び提携士業事務所では、不動産の活用を含む、終活や相続関連のご相談を受け付けております。ご希望の方は、こちらのフォームよりお申込みください。

この回答の監修

弁護士:紙尾 浩道

弁護士:紙尾 浩道

BACeLL 法律会計事務所

1988年生まれ、東京都出身。 東京弁護士会所属。一般個人・中小企業からの法律相談や代理人業務を取り扱っている傍ら、介護施設向けのセミナー登壇、地方銀行内での勉強会での信託法にまつわる講師を行うなど、「終活」に関与。「遺言は毎年更新する」文化を創出するために奔走中。

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