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万が一のとき、どうする? お葬式の流れを解説

はじめに

こんにちは。&for usのがくです。
今回は、元葬儀社勤務の私がお葬式に関する知っておいたほうがいい基本情報や、知っていると得するお役立ち情報などを紹介します。

お葬式の種類

お葬式と一括りに言っても、シンプルなものから豪華なものまで、現代では多様な形式があります。また、宗教の有無などによっても形式が変わってくるでしょう。ここでは、大きく3つのパターンを見ていきましょう。

1.二日葬(通夜、葬儀・告別式、火葬)
2日間かけて故人と偲ぶ時間・場を設けるものを「二日葬」といいます。昔ながらの形式であり、お葬式といえばお通夜から火葬まですべて行うこの二日葬を指すことが多かったです。

昨今の葬儀の簡略化により、下記の「一日葬」というものが出てきてから、その対比として2日間かけて故人と偲ぶ時間・場を設けるものが「二日葬」と呼ばれるようになりました(注1)。

2.一日葬(通夜を省略)
上記の二日葬から、1日目の通夜を省略し行うことを「一日葬」といいます。メリットは、参列者や宗教者に2日間足を運んでもらう必要がなくなることです。

しかし注意点として、葬儀の祭壇などの空間作りは基本的には朝一日だけでは到底間に合わないため、通夜にあたる前日に飾り付けをします。そのため式場料金は変わらない場合が多いです。費用的には、1日目に行う通夜振る舞いなどのおもてなし費用がなくなるため、多少抑えることができるかもしれません。

3.直葬(通夜、葬儀・告別式を省略)
火葬式と呼ばれることもあります。現時点でもっともシンプルな形であり、通夜、葬儀・告別式のすべてを省略し、火葬場での5分程度のお別れのみを行うものです。

いちばんのメリットは費用の面でしょう。式場を借りて、飾り付けをして参列者におもてなしを振る舞ってと、昔ながらの形式で行うことは火葬式と比較して大きく価格が異なります。人によっては、費用は抑えたいけれど戒名も欲しい、火葬場では少しでもお経をあげて欲しいというような場合、直葬に宗教者を呼ぶこともできます。

昨今では、宗教的儀礼は省略するけれど、お別れの時間は5分じゃ短すぎる、といった方のために、一日葬と直葬の中間として30分から1時間ほどのお別れの時間を設ける形式も出てきています(注2)。
ただし、これらの形式を考える場合の注意点として、いわゆる菩提寺(注3)や産土神社(注4)といったお付き合いのあるところがある場合、その意向に従った方がいいとされるケースがあります。宗教者によっては「省略するなんてありえない!」と考えている方もいるので、事前に相談しておくと良いでしょう。

なお、よく言われる「家族葬」というのは、葬儀の形式というより、どこまでお葬式に呼ぶかという規模を表すものです。往々にして家族葬の場合は規模を縮小するため、一日葬など簡略化した形式を取ることはありますが、家族葬だからといって二日葬をしてはいけないというルールはありません。

葬儀の流れ

続いて葬儀の流れについて。ここでは、大切な人を亡くしてから葬儀式を終えるまでの流れを説明します。今回はお通夜と葬儀・告別式を2日間にかけて行うパターンを例に考えていきましょう。

1.診断
事件や事故、災害などを除いて、現代において人は基本的に病院か施設、または自宅で息を引き取ります。正式な死亡が確定するのは、医師が診断をしたタイミングです。

医師から「死亡診断書」という書類を受け取り、看護師がエンゼルケア(注5)を施している間に葬儀社へ連絡をしましょう。お願いする葬儀社を決めていない場合は、インターネットなどで数社を比較検討することが望ましいですが、限られた時間(注6)となるため事前に候補だけでも考えておくことをおすすめします。

2.お迎え
自宅で亡くなり、そのまま自宅にご安置する場合を除いて、基本的にご遺体は亡くなった場所から別の場所へ搬送させる必要があります。葬儀社に連絡がついたら、お迎えが来るまで待ちましょう。

葬儀の日取りなどは後の打ち合わせで決めることになりますが、家族親族へ亡くなった事実だけ先に伝えてもいいかもしれません。通常は搬送車に1-3名ほど同乗することが可能ですので、亡くなった場所にそれより多くの人がいる場合は、その後の移動方法も考えておくと良いでしょう。

3.ご安置
次に考えることは、ご遺体を安置する場所です。人生の長い期間を過ごしてきた思い出の場所であるなら、葬儀社の人と相談(注7)した上で、少しでも自宅に帰してあげるというのも良いかも知れません。しかし、現代においては、自宅に帰してあげたくとも家の構造上難しいケースや、そもそも家に連れ帰るのは少し抵抗があるといった方もいらっしゃいます。

自宅でのご安置が難しい場合は、①ご安置専用の施設(注8)、②葬儀社が運営している会館のご安置所、③火葬場併設のご安置所(注9)など、いくつか候補があります。

4.打ち合わせ
ご安置が無事に終わったら、葬儀の打ち合わせに移ります(注10)。安置後すぐに行う場合もあれば、少し時間をおく場合もありますが、なるべく早急に決めたいのは「日程」と「場所」です。その他の詳細は後日で問題ないかもしれませんが、ここの大枠が決まらないとお葬式がどんどん後回しになってしまいます。

亡くなる時間が夜中の場合、地域によっては火葬場などの予約ができない場合もあるため、日中に改めて決めることもあります。事前に場所の候補を考えておくとスムーズでしょう。

大枠の日程と場所が決まったら、詳細の打ち合わせです。予算に沿ったプランをもとに、棺や祭壇などの空間費用や、食事や返礼品などのおもてなし費用など、お葬式を行うために必要な項目を1つひとつ打ち合わせしていきます。後悔しないために、担当者としっかりとすり合わせすることが重要です。

5.ご納棺
映画『おくりびと』のように、納棺師立ち会いのもとで納棺が行われます(注11)。お身体の状態によっても変わってきますが、お通夜の日のお昼前後にご納棺をすることが一般的です。仏教の形式で行う場合、ご納棺に合わせて旅支度としての白装束などを用意することもあります(注12)。

6.通夜式
お通夜とは、夜を通すという字のごとく、夜に行われます。由来は諸説ありますが、昔は医療が今ほど発達しておらず、死亡の診断というのもあいまいでした。そのため夜を通して寝ずの番をして、死者が急に生き返らないかどうかを確認するためのものであったという説があります。

現代においては、夜通し寝ずに見守ることはあまりせず、お通夜における儀礼や振る舞いが終わったら翌日に備えて一度解散するケースの方が多いです。

7.葬儀・告別式
葬儀と告別式はよく混同されがちですが、厳密に言うと別のものです。葬儀は儀礼として、宗教者が取り仕切る宗教的なもので、告別式は家族中心で最後のお別れをする社会的なものです(注13)。しかし、葬儀社によっても告別式とお別れの儀と別で考えるところもあるため、一概には言えないのが現状です。

お別れの際には、式場に飾ったお花や、故人様が好きだったものなどを棺の中に手向けることが一般的です(注14)。

8.ご出棺(ご発柩)
最後のお別れが終わったら、棺の蓋を閉め、出棺となります。

仏教では出棺、神道では発柩と言われます。一般的には男性の参列者の手を借りて、霊柩車まで棺をお連れします。霊柩車の扉が閉まる際に一礼をし、火葬場まで行く人は移動の準備、式場で見送る人はお見送りをします。家族葬などの規模が小さい場合は、みんなで火葬場まで移動することが多いです。

9.ご火葬
火葬場に到着したら、火葬炉の前で最後のお別れとなります(注15)。宗教者による短い儀礼とともに、火葬炉に収められる様子を見守ります。火葬にかかる時間は火葬場によって異なりますが、およそ30分から2時間ほどが一般的です。その間は、火葬場の待合室で火葬が終わるのを待ちましょう。

10.ご収骨
火葬が終わると、収骨となります。骨がきれいに残っている場合、火葬場の職員の方からそれぞれの骨を説明されることもあります。宗派によって異なりますが、一人ずつもしくは二人一組で骨を骨壷に収めていきます。

地域差がありますが、おおまかに関東ではすべての骨を拾う「全部収骨」が一般的で、関西では一部の骨を拾う「部分収骨」が一般的です。

おわりに

以上、お葬式の形式と流れについて解説しました。

お葬式には色いろなパターンがあるため、ケース・バイ・ケースです。お住まいの地域や亡くなる場所(病院、自宅、その他)、亡くなるタイミングによっても段どりなどが変わってくるため、大事なことは信用できる相談先を事前に考えておくことです。
もし気になる点や分からないことがあれば、以下フォームよりお気軽にご相談ください。

問い合わせ先:https://and.for-us.jp/contact/

[注]
1) 完全に定着した呼び名ではなく、葬儀会社によって捉え方が異なる場合があります。
2) 直葬と火葬式を別のものとして扱って、「火葬式」という名を使ったり、お別れ式や出棺式といった別の名前をつけたりと、まだまだ一般化した名前はないようです。
3) 先祖のお墓があるお寺のこと。〇〇霊園というような名前であれば公営のことが多いですが、お寺の中にお墓がある場合は菩提寺である可能性が高いです。
4) その土地の守り神としての神社のことですが、お葬式の話においては仏教でいうところの菩提寺の神道バージョンのことを指します。
5) 医療者による遺体のケアのことです。死後の体液漏れや感染症を予防するため、綿花などを詰めたり、簡単な化粧を施します。病院では基本的に行われますが、介護施設などによっては行われないこともあるので注意が必要です。
6) 病院によって異なりますが、病院側としてはあまり長くご遺体を預かっておきたくないというのが本音ですので、あれよあれよと急かされるように話が進んでいくことがあります。
7) 考慮のポイントとして、ご自宅内までの導線がきちんと取れるかどうか、近隣住民に知られても大丈夫か、ご安置する部屋にエアコンがあるかなどがあります。季節によっても変わってくるので、きちんと葬儀社と相談することをおすすめします。
8) 中には24時間受け入れのところも多いので、深夜に亡くなった場合はそうした場所に一度お連れすることもあります。
9) 火葬のみのいわゆる「直葬」を希望される方は、直接火葬場の安置所にお連れすることもありますが、空き状況や時間帯によっても受け入れ可否が変わります。
10) 自宅にご安置した場合は、枕飾りの準備や末期の水などを家族で行う場合もあります。
11) 葬儀社によっては納棺師を手配するのもオプションです。
12) 浄土真宗など、宗派によって必要ないところもあります。
13) 歴史的には、葬儀は昔から行われていましたが、1901年に有名な中江兆民の死に際して行われたものが最初の告別式と言われています。
14) 火葬場のルールとして、棺に収められるものと収められないものが決められています。担当者に確認してみましょう。
15) 最後に顔が見えるかどうかや、蓋を開けられるかどうかは、火葬場によって変わってきます。

記事

市川岳

市川岳

アンドフォーアス株式会社

国際基督教大学教養学部アーツサイエンス学科哲学専攻卒業後、葬儀社(むすびす(株)旧:アーバンフューネスコーポレーション)へ入社。エンディングプランナーとして、年間約200家族との打合せ・葬儀を執り行うとともに、死生学カフェや死の体験旅行など様々なイベント企画を通じて「死へのタブー視」と向き合っている。 現在は上智大学大学院実践宗教学研究科死生学専攻の博士課程前期1年目で、死とテクノロジーが合わさった「デステック」における倫理的問題のアセスメントを中心に研究を進めている。

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