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【イベントレポート】&for usのリアルイベント、死のワークショップ「死について 知ろう」をシブヤ大学と協働で開催しました!
「&for us」が展開しているリアルイベント、「死のワークショップ by &for usー死について知ろう」を、2023年2月25日にNPO法人シブヤ大学と協働で開催。今回もたくさんの方にご参加いただきました。
シブヤ大学は、まちのあらゆる場所を教室にさまざまな授業を開催しているNPO法人。私たち&for usが展開している“死のワークショップ”に賛同いただき、渋谷区の千駄ヶ谷社会教育館を舞台に、今回はシブヤ大学と初の協働というかたちイベントとなりました。
この日のお題は「死について知ろう」。これまでに高円寺の小杉湯などでも行ってきたテーマ(※過去のイベントへリンク)ですが、この日は参加者のほとんどが初参加。あらためて、話しづらいテーマでもある“死”について参加者全員で考え話し合いながら、死を学問的に捉えたり、よりよく生きるための考え方やテクニックを身につけることを目指します。
イベントを進行するのは、アンドフォーアス株式会社代表・柴田 駿と、小誌で記事の執筆も行う上智大学大学院実践宗教学研究科死生学専攻の研究者・市川 岳。
当日は「”死”ってなんだ?」「“死”を学問的に捉えてみる」「”死”を意識することのメリットを活かす」と、大きく3つの議題をもとに進行。講義が中心となる前半は市川がマイクを握り、医学や倫理的な観点、さらには歴史やアートカルチャーにおけるモチーフとしての死などを例に、分かりやすく死について紹介。また、それぞれが思う“死ってどんなものだろう?”という思いや考えを自由に付箋に書き、みなさんの意見を並べて比較しながら個々の死生感や死のイメージを探っていきます。
「”死”を意識することのメリットを活かす」では、参加者全員が具体的に考え意見を発信すべく、死ぬまでにやりたいことリストを作成してもらいました。これは、死ぬまでに行きたい場所や食べてみたいもの、会いたい人などを具体的に意識し、紙に書き出すことで、普段はなかなか気付けない自身の思いを俯瞰視するとともに、死を通じて今現在=生に対し、あらためて向き合ってもらうことを目的としています。
多くの参加者の方からポジティブな意見も多くいただいた、シブヤ大学とのワークショップ「死について 知ろう」。終了後にご回答いただいたアンケートでは、以下のようなコメントをいただきました。
「死ぬまでにやりたい事で、一番後悔しそうな事が、結局自分の内面のことだったこと。買い物や美味しいものを食べるよりも内面と向き合う時間を増やすと良いのかもなと思った」
※すべて原文ママ。一部抜粋
「誰しもが前向きになれるのでもないし、なる必要もない、それよりも重要なことがこうした死生学のワークショップにあるのではないかと思いました」
「死生学について初めて話を聞いたので知らないことが多かった。自分自身の死について考えるきっかけになった」
「自分の死を想定して文章を書くと、普段の捉え方とは違う部分(周りにはとりあえず感謝しかない、自分自身を肯定的に捉えられる)が見えてきて面白かったです」
次回のワークショップは2023年3月18日(土)、NPO法人シブヤ大学との協働で『死のワークショップ ー「死と現代」』を開催。普段はなかなか話しづらい “死” をテーマとするシリーズ講義の第2回目となる次回は、死生学について研究をしている上智大学大学院教授・佐藤啓介さんをゲストにお迎えして、現代日本社会における死生観についてみなさんと一緒に考えます。
記事
中澤範龍
出版・広告の現場を経て、さまざまなメディアのプロジェクトに編集者として参画。後世に残したい日本の工芸技術やロストテクノロジーを再発見・記録するプロジェクト「Missinglink 」メンバー。株式会社EditReal取締役。