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【イベントレポート】初のリアルイベント『死のワークショップ by &for us ー「死について知ろう」』を開催しました!

アンドフォーアス株式会社は、先日2023年1月15日に、東京・高円寺にある老舗銭湯「小杉湯」のとなりのシェアスペース「小杉湯となり」にて、初となるリアルイベント『死のワークショップ by &for us ー「死について知ろう」』を開催し、多くの方にご参加いただきました。

東京都杉並区の高円寺駅から徒歩数分、商店会から裏路地を入ったところにある「小杉湯」。名の通り、その隣にあるのが今回のイベントの舞台となった「小杉湯となり」です。「銭湯のあるくらし」をコンセプトに、湯上がりのくつろぎの場として、また、食事を楽しんだり本を読んだり、仕事をしたりもできる多目的スペースです。

はじめて行ったイベントにもかかわらず、当日は老若男女17名の方が参加。SNSでイベントを知ってくれた方や、小杉湯で目にしたフライヤーが気になって参加してくれた方、なかには遠方からわざわざ足を運んでくれた方もいらっしゃいました。

この日のテーマは「死について知ろう」。いつもは話しづらい“死”について参加者全員で考え話し合うことで、死を学問的に捉えたり、よりよく生きるための考え方やテクニックを身につけることを目指すというものです。

講師を務めたのは、アンドフォーアス株式会社代表・柴田 駿と、小誌で記事の執筆も行う上智大学大学院実践宗教学研究科死生学専攻の研究者・市川 岳のふたり。イベントは大きく3つの議題で構成され、ひとつめの「“死”ってなんだ?」では市川が登壇し、医学や倫理的な観点、さらには歴史やアートカルチャーにおけるモチーフとしての死などを例に、分かりやすく死について紹介。個々が考える「死ってどんなもの?」を付箋に書き出し、並べて比較することで、それぞれの死生感や死のイメージを探りました。

ふたつめの議題「“いま”と向き合う」では、死を意識するための手法として、参加者のみなさんに死ぬまでにやりたいことリストを作成してもらいました。死ぬまでに行きたい場所や食べてみたいもの、会いたい人などを思い思いに書き出すことで、自身の思いを俯瞰視するとともに、死を通じて生とあらためて向き合ってもらうことが目的です。

3つ目の議題は「“過去”をみつめる」。このパートでは自分自身や身近な方の死と向き合うことを目的に、参加者のみなさんには自分や大切な方に宛てて最期の手紙を書いてもらい、その手紙に名前(遺書ではない別の呼び名)をつけてもらいました。普段あまり考えることのないテーマゆえに、思いのほか時間がかかったと話す方も多く、なかにはイベントが終わってからも「あまりない機会なので手紙を書き切ってから帰ってもいいですか」と、声をかけてくださるかたもいらっしゃいました。

イベント終了後のアンケートでは、以下のようなご意見をいただきました。

「死ぬまでにやりたい事を書き出してみて、自分が大切に思っている誰かと一緒にやる事が一番大きいと気づきました」
「自分が死ぬまでにやりたいこと、ゴール設定があまり明確にできていなかった、本当にやりたいことを考える良いきっかけになりました」
「死に対して、考える事はここ数年でとても増えたのですが、学問の分野からはあまり考えた事は無かったので、もう少し掘り下げたいと思いました」

※すべて原文ママ。一部抜粋

上記の通り、それぞれにとっての気づきや興味を持つきっかけになったというコメントを多くいただきました。今回のイベントについて、主催した柴田と市川は次のように話します。

「イベントを行うまでは高い年齢層の方が多く参加されると思っていましたが、約半数が20代の方。小杉湯となりという場所柄もあるかと思いますが、多くの若い方に興味を持っていただけたことが驚きでしたし、うれしい誤算でした。私たちはアートやカルチャーに触れるように、“死”やそれを取り巻く実情について発信していきたいという考えもあったので、その点非常にマッチした催しになったのではと思います。今後は死とテクノロジーや、死とアートなど、さまざまな切り口でイベントを拡充していきたいと考えています。おもしろいだけではなく、より具体的で有益な施策に育てていきたいですね(柴田)」

「前半の座学パートが硬い内容だった反動もあると思いますが、やりたいことリストの作成や手紙の執筆といった、自分ごと化して取り組むワークが盛り上がっているのをみて、“意外とみんな喋りたいんだな、コミュニケーションを取りたいんだな”という実情に気づくことがきました。今後は参加者の方もより積極的に発言したりできるような施策も盛り込んでいきたいですね。イベント当日は『死について考えることも悪くないな』という気づきも得られたかと思いますが、一過性のもので終わらせたくない。そのために、今後も&for usのサービスやメディアのコンテンツを通じて、引き続き定期的なクロスメディアでの訴求に取り組んでいきたいと考えています(市川)」

次回は葬儀や相続の準備・実践イベント『死のワークショップ by &for us ー「死について話そう」』を開催予定しています。2日間にわたり葬儀や相続について具体的でわかりやすくご紹介するプログラムをご用意していますので、そちらもぜひご参加ください。

■次回イベントの概要

※クリックすると拡大版が表示されます。

<開催日時>
2023年1月29日(日) 10:30 – 13:00 ※10:25開場
2023年2月19日(日) 10:30 – 13:00 ※10:25開場

<開催場所>
小杉湯となり2F(東京都杉並区高円寺北3-32-16-2)
https://kosugiyu-tonari.com/

<定員>
先着15名
※定員に達し次第、締切

<参加費>
1,000円 ※全2回分合計の金額

<申込方法>
以下のフォームからお申込みください。
https://forms.gle/G5p4Mi1eKo3rArG48
※運営からの返信をもって参加の確定とさせていただきます。

タイムテーブルなどの詳細は下記をご参照ください。

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中澤範龍

中澤範龍

出版・広告の現場を経て、さまざまなメディアのプロジェクトに編集者として参画。後世に残したい日本の工芸技術やロストテクノロジーを再発見・記録するプロジェクト「Missinglink 」メンバー。株式会社EditReal取締役。

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