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終末期医療と助産院には似ている部分がある。出産を経て変化した、生と死への興味

2022年、第一子の出産を経験したというゆりすけさん(30才)に、出産や育児を通じて気づいたことや心境の変化について、お話を聞きました。

ーーご出産おめでとうございます! 助産院での出産を選ばれたそうですが、そのきっかけは何でしたか?

自然なお産がしたい、家族とともに産みたい、という想いから助産院での出産を希望しました。初産婦を受け入れてくれる助産院を探すのは大変でしたが、素敵な助産院と巡りあい、無事に出産を迎えることができました。

私が通った助産院では、食事を含めた生活習慣の指導や、運動やマッサージのレクチャーまでしてくれて。もちろん努力も必要でしたが、妊娠期間は人生で最も健康になった時期だったと思います。

一方で、出産後に休みなくはじまる育児の方がすごく大変でした。身体へのダメージだけでなく、途切れることのない緊張感で心身共にとても疲れてしまって。
育児休暇をとった夫と協力しながら過ごして、いまでは何とか落ち着いてきましたが最初の3ヵ月は本当に大変でした。助産院からは出産後も「何かあったらいつでもおいで」と言ってもらえていて、地域における”自分の居場所”があるということも、心の支えになっています。

女性は出産と育児のタイミングで、生活やキャリアに強制的にブレーキがかかってしまいます。ですが、これは悪いことだけではありません。自分の場合は、出産を機に人生でやりたいことが整理された感覚も得られました。

ーー最近見つけたという、死ぬまでにやりたいことについて教えてください。

“量り売り屋さん”をやってみたいと思っています。

お客さんが自分で容器を持ってきて必要な分を買っていく。コンビニみたいにパッと買い物できる便利さはないけど、コミュニケーションが生まれるような場所を作りたいんです。

もともと、ゴミを出さず、無駄の少ない暮らしに興味があったことに加えて、今回の出産を通じて「食」の大切さも再認識できました。
自分の興味があるものをベースにしながら、地域における自分の立ち位置や居場所を作っていきたいと思っています。

ーー少し話は変わりますが、身近な方との死別経験はありますか?

自分が小学生のときに、祖父が脳梗塞で倒れたという経験があります。
後遺症の関係でコミュニケーションも不自由になり、施設に入居することになったのですが、なんとなく祖父祖母が自分たち家族から取り残されているような暮らし方になってしまっている感覚がありました。

施設で過ごす入居者さんを見ていて、歳を取ってからずっとテレビだけを観ている生活って何なんだろう、というもやもやした気持ちもあって。
私は終末期医療への興味があるのですが、そのような経験もきっかけのひとつだと思います。
終末期医療と助産院には、似ている部分があると感じていますし。

医療を通じて出来ることは増えるけれど、いちばん大切なことは本人や家族の意思だという部分は変わらないはずです。
自分の心身に関するボールというか意思決定権のようなものを手離さず、自分の人生を自分で選んでいくということが必要だと思います。

最近『がんになった緩和ケア医が語る「残り2年」の生き方、考え方』という本を読みました。余命を意識しながら仕事と向き合い続ける医師の本なのですが、死への向き合い方もその人の生きざまであり、生き方の一部だ、ということを教えてもらいました。筆者の方が事前に録画して自分の葬儀に流したビデオレターが、Twitterでも話題になっていましたよね。残される人への思いを形にするのは、すごいことだと思います。

ーー人が死んだら、どうなると思いますか?

空にのぼっていって、宴会をしていて欲しいな、なんて思います。
お花見のようなイメージです。老若男女いろんな人が混ざりあって、みんながみんな、思い思い楽しんでいる。そんな世界だったらうれしいです。

ーー本日はお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。インタビューはいかがでしたか?

普段なかなか話すことのないトピックで、考えさせられました。
きっと人生のステージによって考えも変わってくると思うので、ときどきは自分のなかで向き合ったり、家族や大切な人と共有したいと思います。

インタビュアー

柴田駿

柴田駿

アンドフォーアス株式会社

アンドフォーアス株式会社代表。1992年生まれ、東京都出身。 慶応義塾大学卒業後、東急(株)に入社。不動産の売買業務等に従事した後、ベンチャー企業に転職。投資型クラウドファンディングの新規案件組成等を担当。 2021年にアンドフォーアス株式会社を設立。趣味はテニスと街歩き。 相続診断士/宅地建物取引士/FP

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