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グルメが選ぶ最後の晩餐。サウナが見せる死生観とは?

グルメな方はいったいどんな最後の晩餐を選ぶのか、どんな死生観をお持ちなのか。仕事でもプライベートでもグルメなちゃんくろさん(30才)にお話を聞いてみました。

ーー簡単に自己紹介をお願いします。

グルメメディアを運営する会社でアプリ開発に携わっています。仕事でもプライベートでも、美味しい店を探したり、実際に行って記事を書いたりSNSに上げたりしている時間が多いです。最近では趣味のサウナと組み合わせて「サウナ酒(サ酒)」という文化を作ろうと思っていて、まずはインスタ運用を始めたところです。

ーー人生最後の食事は、どこで何を食べたいですか?

家で母の手料理を、家族みんなで食べたいです!
うちの定番料理でいうと、カレーか唐揚げ。生姜の効いた唐揚げが我が家の味で、運動会やイベントごとのときに必ず食べていた記憶があります

グルメ関係の仕事に就いてからはたくさんのレストランに訪れたり、カルボナーラを食べるためだけに東京から京都に行ったりして、感動することも何度もありました。でもそれ以上に感じるのが、「家のご飯って最強だな」ということです。

食事って味ももちろん大事ですが、「どこで」「誰と」食べるかが、それ以上に大事だと思っていて。そういう意味だと、人生最後だったら家族で仲良く食事をしたいですね。

ーーご家族を大切にするようになったきっかけはありますか?

海外での生活が家族の絆を深めてくれたんだと思います。
僕は3兄弟なのですが、3兄弟が小学生のときに、家族でアメリカのサンフランシスコに引っ越したんです。
子どもはもちろん、親も英語が堪能ではなかったので、家族で力を合わせなければ生きていけないような状況に陥りました。現地校に通っていたため、小学校の宿題も、もちろん英語です。だから家族総出で宿題を解いていましたね。そんな生活のなか、ご飯は家族そろって食べるのが当たり前で、そういう経験もあって家族での食事には深い思い入れがあります。

死ぬ前に行きたい場所と聞いて思い浮かぶのも、サンフランシスコです。思い出の地を巡って、ゴールデンゲートブリッジ前でアナザースカイごっこをしたいですね。

ーー話は少し変わりますが、自分の死生観に影響を与えた身近な人との別れはありますか?

祖母との別れが印象に残っています。
祖母は名古屋に住んでいて、毎年夏休みに家族で遊びに行っていました。

祖母が体調を崩した当時、自分は大学生になった頃で生活もなかなかに忙しい時期でした。
結局、最期まで会いに行くことが出来ないまま祖母は帰らぬ人となりました。
忙しいとは言っても、時間を作ろうと思えば作れたはずなのに、会いに行くことができずじまいだったのが心残りです。

祖母の死を通じて、「いつか」は「明日」でもおかしくないし、もっというと「数秒後」かもしれないと身に染みました。

そしてこれは、死別に限らず全ての事柄に言えることだとも思っていて。それはアイドルとか飲食店も一緒ですよね。いつの日か「大事なお知らせ」でアイドルグループの解散や推しメンの引退、お店の閉店を知ることになって、そのときを迎えると、もう応援に行ったり食べに行ったり、今までのようなことはできなくなってしまうんです。

そう考えると、できるうちにできることをする、ということがすごく大事に思えます。

ーーちなみにちゃんくろさんは、人が死んだらどうなると思いますか?

「死」のことを考えたときに、画としてのイメージがあります。

大きな暗い空間に渦のようなモノがあって、拡大すると光の粒がある。銀河系みたいなものを少し離れているところから見守っているようなイメージです。

ちなみにこれは自分がサウナで”ととのった”ときに見るイメージとも一緒なのですが、もしかしたらサウナで臨死体験をしているのかもしれないですね。気になって調べてみたのですが、臨死体験の原因にはいろいろな説があり、そのうちいくつかの説ではサウナで”ととのった”状態と臨死体験している状態は近いらしいです。

先ほどの「死」のイメージを言葉にすると難しいのですが、死後は自身の人生の成果を見守るフェーズ、ということなのかなと思っています。

生きているときも死んでいるときも、この世界の一部であることには変わりはないけど、死後にどれだけ生に作用できるかは、生きている間の総エネルギー量次第。
言い換えると、死後に何かを新しく生み出すことはできないので、世界に何か残したいのなら、仕込みや種まきは生きている間に、熱量を注いでやるべきだと思います。

ーー本日はお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。
  インタビューはいかがでしたか?

自分でも知らなかった自分自身に気づいた気がします。
あとは、「死」とか「人生」について周りの人がどんな考えを持っているかも知りたいです。
正解がない話だからこそ、色々な意見を知りたくなってしまいますね。

< ※ 参考>
・ちゃんくろさんが書かれている記事(一部)
 https://note.com/hitosara/n/n95607cefc9cf
 https://note.com/hitosara/n/n2faf4b8d95a9
 https://note.com/hitosara/n/n8dce3ed8931f
・「サウナ酒(サ酒)」instagramアカウント
 https://instagram.com/saunazake?igshid=YmMyMTA2M2Y=

 

Illustration: banbino_e

インタビュアー

柴田駿

柴田駿

アンドフォーアス株式会社

アンドフォーアス株式会社代表。1992年生まれ、東京都出身。 慶応義塾大学卒業後、東急(株)に入社。不動産の売買業務等に従事した後、ベンチャー企業に転職。投資型クラウドファンディングの新規案件組成等を担当。 2021年にアンドフォーアス株式会社を設立。趣味はテニスと街歩き。 行政書士 / 相続診断士 / 宅地建物取引士 / FP

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